目次

予防コース

この絵を見てどう思われますか?
水道の蛇口が開いたままにも関わらず、一生懸命掃除をしている2人の青年がいます。この蛇口を締めない限り、掃除が終わることはありません。
この絵と同じで、病気となる原因を解決しないことには、治療をして一旦は治ったように見えても、いずれは病気が再発してしまうのです。

「定期的に歯医者でクリーニングしてもらっているからむし歯・歯周病にはならない」「セラミックで治したからもうむし歯にはならない」はよくある誤解です。
お口の健康の良し悪しを最終的に決めるのは、ホームケア(歯ブラシやデンタルフロス等を用いた毎日の歯のお手入れ)の正しい知識とスキルが身についているかどうかです。

しかし、多くの日本人はホームケアの正しい知識やスキルを教わっていません。
そこで当院では、歯科衛生士によるマンツーマンのレッスンコースを設定しました。

患者さん一人一人のむし歯と歯周病のリスクを評価し、それぞれに合った、オーダーメイドの予防プログラムを立案し、計4時間のレッスンでプロ並みのスキルを身につけていただきます。

<予防コース>こんな方におすすめです

  • 進行した歯周病の治療が必要な方
  • 全顎的な治療が必要な方
  • インプラント治療を受けられる方
  • 矯正治療を受けられる方
  • 短期間でプロ並みのホームケア能力を身に着けたい方
  • 一生自分の歯で食べたい方

<予防コース>の主な流れ

  • 1回目
    病因の説明、唾液検査、ミュータンス菌検査、生活習慣の確認と指導、ワンポイント指導
  • 2回目
    唾液検査・ミュータンス菌検査の結果説明、ブラッシング指導
  • 3回目
    ブラッシング指導およびデンタルフロス、歯間ブラシなどの指導
  • 4回目
    苦手部位やリスク部位の確認と指導
    ※すべての回において、PCR(Plaque Control Record)検査という、磨き残しの量を計測する検査を行います。
    歯磨きの出来具合いを数値化したもので、上達度合いが一目でわかります。

治療例

<予防コース>叢生がある54歳女性のケース

ご自分がお持ちのアイテム(歯ブラシ・歯間ブラシ・巻きフロス)を使って、磨いて来られた状態です。
Plaque Control Record(プラークコントロールレコードは歯ぐきの際の磨き残しを判断する指数です。以下PCR)は94%でした。歯間ブラシは奥歯のみ、フロスは気になったところのみ使われていました。
1回目は唾液検査をして、歯ブラシを歯と歯ぐきの境目にあてるようにお話をしました。

2回目は唾液検査の結果をお話ししました。唾液の量はそこそこ出ていたのですが、かなり濁っていました。(唾液は無色透明です)
虫歯菌の検査をしたところ、とくに舌の上から菌がたくさん検出されました。
2回目のPCRは60%でした。「今までもいろいろなアイテムを使っていたので磨けている気になっていたわ・・」と少し落ち込みぎみのご様子でした。今回はブラシの練習を徹底的にしました。
3回目のPCRは42%でした。前回は歯ブラシの指導が中心だったので、歯と歯の間にはまだ磨き残しが多くみられました。今回は歯間ブラシのサイズと使い方のチェック、巻きフロスの使い方を練習しました。
4回目のPCRは17%で目標(20%をきる)は達成されました。歯間ブラシは歯に沿わせて使っていましたが、巻きフロスの指と指の間が長めでやりにくそうだったので練習を しました。

<予防コース>歯周病・虫歯ともにリスクの高い患者様のケース

初めて染めてみました。いつもくるくる円を描くように磨いていたので、歯と歯ぐきの境目には磨き残しが沢山ありました。フロスもほとんど使っていません。
Plaque Control Record(プラークコントロールレコードは歯ぐきの際の磨き残しを判断する指数です。以下PCR)は98%でした。
1回目は唾液検査をして、歯と歯ぐきの際に歯ブラシをあてて動かすようにお話ししました。
治療の結果1年半後のPCRは17%で、良好な状態を維持されています。

1回目に比べると磨き残しの量はかなり減っているのですが、まだ歯ブラシで磨ける部分がたくさん残っていてPCRは92%でした。
歯ブラシは、毛先の向きと動かし方をチェックしました。今まで歯と歯の間を磨いたことがなかったので、まずは糸ようじをお勧めしました。
続いて、唾液検査の結果をお話ししました。本来無色透明である唾液が濁っていました。歯周病も進んでいるのと、唾液の量が少なく機能が十分ではないことが原因と思われます。
虫歯菌の検査をしたところ、歯の周りや舌の上のプラークから菌がたくさん検出されました。
ダラダラ食べる癖があり、アメをしょっちゅうなめている、甘い物が大好きで炭酸飲料を毎日飲んでいたので、食生活習慣についてもお話させていただき、唾液の量を増やすためにも、アメの代わりにキシリトールガムを咬むことをお勧めしました。
PCRは50%でした。糸ようじは前歯の方は出来たようですが、奥歯の方は難しかったそうです。
力任せに入れていたので、スライドしながら入れるようにお話しました。歯並びがデコボコしているところのブラシのあて方をお話ししました。
PCRは15%で、(20%を切って)目標は達成されました。
もっと上手くなりたいと意欲を持っておられたので、指巻きフロスの使い方をお話ししました。

メンテナンス

しっかりとした治療を行ったとしても、治療前の生活慣習や歯磨きの状態に戻ってしまえば、症状がもっと深刻になることも考えられます。
また、お口の健康は、生活習慣や環境の変化などによって大きな影響を受け日々変化しています。
例えば、ほかの病気が原因で飲み始めた薬や、日々のストレスで唾液が少なくなることで、歯周病が再発することもあります。
メンテナンスを通じて問題がみつかれば、重症になる前に対応できます。
一生涯を通じて、お口の健康を維持していただくためのお手伝いをいたします。

フッ素イオン導入・フッ素塗布

むし歯に強い歯をつくる性質を持つ“フッ素”を定期的に歯に塗ることで、歯質を強化することが出来ます。 イオン導入装置を使用すると、電気分解によってより歯質に浸透しやすくなります。

PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)

スタッフが専門の機械を使用して、歯面清掃を行います。
セルフケアでは落としきれない汚れ(歯垢)を除去し、専用の歯磨材で歯面を磨きます。プロフェッショナルケアを定期的に受けることで、虫歯と歯周病のリスクは大幅に減らせることがわかっています。 患者様に“歯磨きをして下さいね”と指導するだけではなく、医院全体で患者様一人一人のお口の中を守っていきたいと思います

トリートメント仕上げ

トリートメントは歯科のプロが行うクリーニングの仕上げです。歯の表面や歯間のプラークを除去し、仕上げに専用ペーストを使用して磨きますので、ツルツルになり、汚れもつきにくくなります。気になる部分だけの短時間コースもありますのでご相談ください。