症例紹介
歯をできるだけ削らない治療「セラミックオーバーレイ」とは?|奥歯の治療症例
こんにちは、三田ウッディタウンのたなか歯科医院です。
本日は「セラミックオーバーレイ」による治療を行った症例をご紹介いたします。
虫歯が大きかったり、歯の神経を取ったりした場合、従来は歯を大きく削って被せ物(クラウン)を装着することが一般的でした。
しかし、近年は接着技術の進歩により、歯をできるだけ残しながら修復するオーバーレイという治療法も選択できるようになりました。
今回は、実際の症例を通して、その特徴や治療の流れをご紹介します。
オーバーレイとは?

オーバーレイとは、歯の全体を覆うのではなく、歯の頭の部分に載せる「帽子」のような形をした詰め物です。
従来のクラウンは歯の周囲を大きく削って覆いますが、オーバーレイは噛み合わせる部分のみを覆うため、クラウンと比べて健康な歯をより多く残せることが特徴です。
また、詰め物と歯の境目を歯ぐきから離れた位置に設定しやすく、歯ぐきへの影響を抑えられるというメリットもあります。
ただし、すべての歯に適応できるわけではありません。残っている歯の状態や噛み合わせなどを考慮し、判断する必要があります。
実際の症例をご紹介します
患者様50代の男性の方で、右下の6番目の歯(第一大臼歯)に対して、根管治療およびオーバーレイによる修復治療を行いました。

オーバーレイを装着するために、必要な部分だけ歯の形を整えました。
この状態で精密な型取りを行い、歯科技工士にセラミックの作製を依頼しました。

出来上がったセラミックがこちらです。
あとは歯に装着するだけなのですが、実はオーバーレイ治療では、この接着の工程が非常に重要です。
歯を大きく削らずに修復するためには、セラミックと歯をしっかり接着させる必要があります。
接着が不十分だと、詰め物が外れたり、割れたりする原因になることもあります。
そのため、当院では接着の一つひとつの工程を大切にしています。
セラミックを長持ちさせるための接着操作
まずは「ラバーダム防湿」を行います。

ラバーダムとは、治療する歯の周囲を覆うゴムのシートです。
セラミックをしっかり接着させるためには、唾液や湿気が入らないようにすることが重要です。
ラバーダムを使用することで、接着に適した環境を整えることができます。
続いて、歯の表面を徹底的に清掃します。

まずは専用の染色液を使い、歯の表面に残っている汚れを確認します。


汚れを除去した後、サンドブラストという方法で、細かな粒子を吹き付けて歯の表面を清掃します。
このように、接着する面を丁寧に整えることが、治療の質を左右する大切なポイントです。


歯とセラミック、それぞれの表面に適切な処理を行った後、レジンセメントという接着力の高い材料を使用して装着します。

最後にラバーダムを外し、噛み合わせを調整して、表面を磨けば治療終了です。
治療後の状態


いかがでしょうか?
オーバーレイは歯の途中に詰め物との境目ができるため、横から見ると境目が目立ちやすいというデメリットがあります。
しかし、今回の症例では、よく目を凝らさないと境目が分からない程度に、自然な仕上がりになったと思います。
もちろん、見た目の美しさも大切です。
しかし、奥歯の治療では、見た目以上に健康な歯をどれだけ残せるかが重要であると個人的には考えております。
今回の症例では、自然な見た目を保ちながら、できるだけ歯を削らない方法を選択しました。
最後に
一度削ってしまった歯は、元に戻すことができません。
だからこそ、治療の際にはできるだけ健康な歯を残し、将来にわたって長く使い続けられるようにすることが大切だと考えています。
オーバーレイは、そうした考え方を実現するための治療法の一つです。
これからも、患者様の大切な歯を少しでも長く守れるよう、一つひとつの治療を丁寧に行っていきたいと思います。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
Before

After
